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フェチ(20)

僕の秘書業務が始まった。
僕の仕事の大部分は社長のスケジュール管理と接客ということだ。

社長より早く出社して、その日のスケジュールを印刷して、机の上に置いておく。
社長が出勤したら、すぐに口頭でその内容を伝えるのだ。
社長は自らメールを使いこなすが、なかなかメール処理の時間がとれないため、メールの代筆もあるらしい。
さすがに最後は確認してから自ら発信するが、文章そのものは秘書が書いたものということも多いとのことだ。

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フェチ(19)

「塚本直美です。今日からお世話になることになりました。よろしくお願いします」

週が明けると、僕は北原の会社で皆の前で挨拶していた。
初日ということもあり、僕は白のスーツで決めていた。
皆の興味本位の視線が居心地を悪くする。
「塚本さんは今度退社する川瀬さんの後任として来てもらうことになった。みんな、よろしく頼む」
そう紹介された。
いよいよ僕の女性としての、直美としての社会人生活が開始されたのだ。


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フェチ(18)

どうしよう?
もう少しこのまま就活を頑張ろうか。
しかし、これまでの実績から考えると就職内定をもらえるのは望み薄のような気がする。
いっそのこと女性として北原の会社に就職しようか。
そうすればとりあえずは仕事に就くことはできる。
しかし、それで就職できたとしても、絶対に問題が起きるだろう。
そうなると傷つくのは僕自身なのだ。

かなりの時間、いろいろ考えた。
いくら考えても、いくら悩んでいても堂々巡りだ。
結論は出そうもなかった。
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フェチ(17)

「それじゃ、僕からの質問、いいかな?」
僕が腹を立てていることには気がつかないのか、男は何事もなかったかのように言った。
「何ですか!」
僕は少し怒りながら聞いた。
「君の今の恰好は趣味なの?」
男の質問に僕はどう答えていいのか分からなかった。
すると男が言った。
「もしその姿で面接に来てくれたら、採用してたんだけどな」
「えっ?」
思わぬ言葉に警戒していたことが頭から消えてしまった。

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22:46 | フェチ | comments (2) | trackback (-) | page top↑

最近ちょっと好調です

沙亜矢です。
最近何となく好調です。
強制女性化妄想といい、ブログの小説といい、週1以上更新できてます。
バリエーションがあるかどうかはともかく何か書きたい感じなんです。
ようやく長いスランプから抜け出れたのでしょうか。
以前のように隔日というのはつらいですが、週一とか5日で1回くらいなら継続的にできそうな気がします。
乞うご期待!

#でも無理するつもりはまったくありません、あしからず。

15:57 | 未分類 | comments (3) | trackback (-) | page top↑

フェチ(16)

男性は黙って車を走らせた。
何も喋らない。
僕も口をきかなかった。
でも頭の中は不安でいっぱいだった。
どうしてバレたんだろう?
どこに連れていかれるのだろう?
もっと必死で抵抗して車に乗らなければよかったのに…。
そんなことを考えていた。

10分ほど走っただろうか。
車は病院の駐車場に入って行った。
本当に医者に連れていかれるとは思ってなかった。
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15:34 | フェチ | comments (0) | trackback (-) | page top↑

フェチ(15)

それから何度もエントリーシートを出したり、面接を受けに行ったりした。
しかしさっぱりだった。
卒業まで半年を切った時期になっても全然就職先が決まらない。
卒業に必要な単位を取ってしまっていたので、卒業することはできる。
しかしこんなことだったら単位をとらずに落第したほうがよかったのかもしれない。
そんなつまらないことすら考えてしまう。
自分の考えがどんどんネガティブな方向に向いてしまうのだ。

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13:32 | フェチ | comments (0) | trackback (-) | page top↑

フェチ(14)

そんな楽しいだけで大学生活は永遠に続くものではない。
幸いなことに大学の単位だけは真面目に取っていたので、卒業することは問題ない。
しかし卒業後についてはまだ何も決まっていない。
そろそろ真面目に考えないといけない時期なのだ。
卒業後のための対応、それは就活だ。
周りが就活を始め出したという声を聞いているときは、少しくらい遅くなっても、という気持ちだった。
そろそろ始めなければ、と思ったときには、完全に出遅れていた。
中には自ら起業するなんて奴もいた。
しかし僕には起業する意欲なんてあるはずもないから、どこかの企業に就職することを目指すしかない。
すでに出遅れているのだから、かなり真剣にやらないとヤバい。
僕は就職が決まるまで女装を封印することに決めた。
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フェチ(13)

「それじゃ行くわよ」
「えっ!この恰好で?」
「コミュがあるから、こんな恰好したんじゃない。当たり前でしょ」
僕は瑞希に引っ張られるように、外に出た。

会場に着くまでの人々の視線はつらかった。
何してんだ、こいつら?
そんな蔑んだ視線が僕を責めた。

やがて、これだけ化けていると僕だと分かるはずがない。
そんな開き直りのような気持ちになることができた。
そうなると、少しずつ堂々と振る舞うことができるようになっていた。
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フェチ(12)

瑞希のマンションは女性限定のマンションだった。
男の姿では入ることすらできなかったのかもしれない。
だから女装させたのか。
そんなことを考えながら、瑞希の部屋番号を押した。
「入ってきて」
すぐに瑞希の声が聞こえてきた。
そして鍵が開く音がした。
僕は扉を開け、瑞希の部屋に向かった。
幸いにも途中マンションの住人に会うことはなかった。
仮に誰に会ったとしても、男だと見抜かれるとは思ってなかったが、このタイミングで余計な神経は使いたくなかった。
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