嫉妬(3)
2008 / 11 / 21 ( Fri )
(女になる?この俺が?)
何となく漠然と考えていたことが実際の言葉にされた。
そのことで自分が女になることが、より現実味を帯びてきた。
松村は自分の身体を思い浮かべた。
どう見ても女にしか見えない身体を。
おしっこする度に絶望的になるペニスの残骸を。
今の自分の姿はお世辞にも男には見えない。
しかし自分は精神的には女になりたいというところはない。
松村はどうすればいいのか分からなかった。
何も考えられなかった。
何となく漠然と考えていたことが実際の言葉にされた。
そのことで自分が女になることが、より現実味を帯びてきた。
松村は自分の身体を思い浮かべた。
どう見ても女にしか見えない身体を。
おしっこする度に絶望的になるペニスの残骸を。
今の自分の姿はお世辞にも男には見えない。
しかし自分は精神的には女になりたいというところはない。
松村はどうすればいいのか分からなかった。
何も考えられなかった。
(もうどうでもいいや)
半ば自棄になり、次の日、松村は言われるまま女になることを承諾した。
特に理由はなかった。
悩むことも面倒に思えた。
だから言われるままに性転換手術に同意しただけだった。
手術は即日行われた。
まるで松村の心変わりを恐れるかのように...。
松村が承諾することが分かっていたように準備が整っていた。
手術は成功裡に終わった。
しかし性転換手術は松村に何も希望を与えなかった。
そもそも松村は心が女だったわけではない。
心と身体の不一致が性同一性障害なら、今の松村がまさにその状態だった。
身体だけが女性になり、気持ちがそれについていかない。
松村はひどい鬱状態に陥った。
松村はこの世の不幸を全部自分が背負っているように感じていた。
ほとんど何もやる気が起こらない。
そんな状態でもなぜか膣拡張だけは真面目に行っていた。
何かひとつでも作業をこなすことで何とか精神状態を保っているのかもしれない。
一方で松村は他人との接触を極端に嫌がった。
担当医の問診でもほとんど何も話さないようになった。
話さないだけでなく、目も合わさないような状態だった。
そんな中、一人の看護師が松村に誠心誠意看病してくれた。
名前を大橋貴子と言った。
貴子は背の小さなおとなしめの笑顔が素敵な女性だった。
松村が入院した当初からいろいろと世話をしてくれた看護師だった。
特に忠告らしいことを言うわけではない。
松村の反応がなくともただ明るく優しく接してくれただけだ。
決して松村の心の中に踏み込むことは全くなかった。
貴子は松村のことをいつの頃からか豊の"ゆ"をとって"ゆうちゃん"と呼んでいた。
"ゆうちゃん"。
呼ばれた始めたころは馴染めなかったが、自分が女性になってしまったせいか、だんだんそう呼ばれることに違和感がなくなってきた。
そんな貴子の態度に松村の閉ざされた心が少しずつ開いてきた。
貴子の言葉には「うん」とか「ううん」とか簡単な反応を示すようになったのだ。
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半ば自棄になり、次の日、松村は言われるまま女になることを承諾した。
特に理由はなかった。
悩むことも面倒に思えた。
だから言われるままに性転換手術に同意しただけだった。
手術は即日行われた。
まるで松村の心変わりを恐れるかのように...。
松村が承諾することが分かっていたように準備が整っていた。
手術は成功裡に終わった。
しかし性転換手術は松村に何も希望を与えなかった。
そもそも松村は心が女だったわけではない。
心と身体の不一致が性同一性障害なら、今の松村がまさにその状態だった。
身体だけが女性になり、気持ちがそれについていかない。
松村はひどい鬱状態に陥った。
松村はこの世の不幸を全部自分が背負っているように感じていた。
ほとんど何もやる気が起こらない。
そんな状態でもなぜか膣拡張だけは真面目に行っていた。
何かひとつでも作業をこなすことで何とか精神状態を保っているのかもしれない。
一方で松村は他人との接触を極端に嫌がった。
担当医の問診でもほとんど何も話さないようになった。
話さないだけでなく、目も合わさないような状態だった。
そんな中、一人の看護師が松村に誠心誠意看病してくれた。
名前を大橋貴子と言った。
貴子は背の小さなおとなしめの笑顔が素敵な女性だった。
松村が入院した当初からいろいろと世話をしてくれた看護師だった。
特に忠告らしいことを言うわけではない。
松村の反応がなくともただ明るく優しく接してくれただけだ。
決して松村の心の中に踏み込むことは全くなかった。
貴子は松村のことをいつの頃からか豊の"ゆ"をとって"ゆうちゃん"と呼んでいた。
"ゆうちゃん"。
呼ばれた始めたころは馴染めなかったが、自分が女性になってしまったせいか、だんだんそう呼ばれることに違和感がなくなってきた。
そんな貴子の態度に松村の閉ざされた心が少しずつ開いてきた。
貴子の言葉には「うん」とか「ううん」とか簡単な反応を示すようになったのだ。
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