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フェチ(26)

次の日は社長の顔をまともに見ることができなかった。
顔を合わすとどうしても昨夜の夢を思い出してしまう。
すると間違いなく顔が真っ赤になるような気がするのだ。
顔を見ないでいると、どういうわけか股間に視線に行くようになった。
すると変な妄想が始まる。
僕は瑞季のようにフェラできるだろうか?
社長のペニスを受け入れることができるだろうか?
そんなことを考えてしまうのだ。
おかげでその日は社長との会話がギクシャクしたものになってしまった。
その日の終わり、社長から声をかけられた。
「今日はどうしたんだ?全然私の顔を見てくれなかったが」
「何でもありません」
そう答えた。
「そうか。別に何でもないならいいんだ…」
そう言って社長が寂しそうな顔をした。
僕は何となく罪悪感に襲われた。
やはり打ち明けることにした。
「実は…」
その言葉だけで社長の表情から寂しさが消えた。
やはり打ち明けるほうがよさそうだ。
「実はゆうべ社長に抱かれる夢を見てしまったんです…」
「それで僕の顔を見るのが恥ずかしくなった…ってことかな?」
「…はい……」
「それは…」
そこで社長は次の言葉を言い淀んだ。
言葉を選んでいるようだ。
僕が黙って待っているとおもむろに言った。
「……僕が期待してもいいってことかな?」
「それは…分かりません。でも社長のことを意識してるってのは本当です」
「それじゃ今日これから食事でもしないか。年甲斐もなく焦っているようで恥ずかしいけど」
社長は本当に恥ずかしいようだ。
顔が真っ赤になっていた。
そんな社長の様子が、僕にとっては好ましく思えた。
「嬉しいですけど、今日はやめておきます。私の気持ち自体が混乱してますし」
「それじゃ明日は?」
「本当に焦ってるみたいですね?」
「確かにそうだな」と言って社長が笑った。
そんな笑顔を見ていると、愛おしく思えた。
「…いいですよ、明日なら」
笑顔につられるように、そう答えた。
「それじゃ明日楽しみにしてるよ」
「はい、私も」
その言葉は本心からだった。

その日の帰り、僕は明日のデート用の服を買いに行った。
これまで社長に知られている服では行きたくなかったのだ。
そんなことを考えるなんて自分でも不思議だった。
考え方が女性的になっているような気がした。

僕は何軒もの店をまわって、シックなネイビーのワンピースとオフホワイトのボレロを買った。
着飾りましたという雰囲気もなく、これくらいが適当なように思えたのだ。
その服に合わせてバッグと靴も買った。
もちろん下着も。
かなりの出費になったが、そんなことは気にならなかった。

明日はデート。
これまでも二人で食事をしたことはあるが、明日は特別なイベントだ。
そんなことを考えたせいか、その日の夜は気持ちが昂ぶって、なかなか寝つけなかった。


00:49 | フェチ | comments (1) | trackback (-) | page top↑
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コメント

#あらあら…
社長を『異性』として意識してしまったり、デートの為の服を買いに行ってる時点で、身体以外はもう女性化していますね…(^^)
この分では、性転換してくれと言われたら、すんなり応じてしまいそうですね…(^^;)
by: 藍 | 2016/11/07 09:25 | URL [編集] | page top↑

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