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フェチ(18)

どうしよう?
もう少しこのまま就活を頑張ろうか。
しかし、これまでの実績から考えると就職内定をもらえるのは望み薄のような気がする。
いっそのこと女性として北原の会社に就職しようか。
そうすればとりあえずは仕事に就くことはできる。
しかし、それで就職できたとしても、絶対に問題が起きるだろう。
そうなると傷つくのは僕自身なのだ。

かなりの時間、いろいろ考えた。
いくら考えても、いくら悩んでいても堂々巡りだ。
結論は出そうもなかった。
雅臣か瑞希に相談しようかとも考えた。
しかし相談したって、あいつらには他人事にしか過ぎない。
馬鹿にされるか面白がられるかだろう。

そうするうちに悩み続けること自体が面倒になってきた。
ダメ元でやってみればいい。
ダメならそれからまた考えればいい。
女性としてとりあえずはチャレンジして、ダメだったらまた頑張ることでいいような気がしてきた。
せっかくのチャンスなんだから。
考えることに疲れていた僕は、楽観的というかやけくそというか、そんな結論に達していた。

北原社長に電話した。

「そうか、来てくれるのか。それじゃいつから来れる?」
素直に喜んでくれているのが声でよく分かった。
「いつからって来年の春じゃないんですか?」
「少し事情があってね。できればなる早で来て欲しいんだ。何か問題はあるのか?」
「大学の単位は取れてるので、明日からでも行けるんですが、服が…」
「服?」
「はい、あまり秘書にふさわしい服を持っていないんです」
「そうか。女性として働くには準備が必要ってわけか…。分かった、支度金として20万渡そう。それで準備して、来週から来てもらえるかな」
「えっ!20万も、ですか?」
「女性の服は意外と高いからな。足りなければ言ってくれればいい」
「ありがとうございます」
「それじゃ君の口座番号を教えてもらえるかな。早速手配するよ」

電話を切ってから2時間後にインターネットバンキングで残高を調べた。
すでに20万円が振り込まれていた。
さすが社長だ。
行動が素早い。

僕は女装してデパートに行き、店員と相談して服を揃えた。
男だったら、スーツとネクタイをいくつか持っていれば何とかなる。
女性の場合、毎日同じ服装というわけにはいかない。
ワンピースやスーツ、ブラウス、スカートを数着買った。
それだけではなく、ネックレスやイヤリングなどアクセサリもいくつか買った。
服の組合せやアクセサリなどで、様々なバリエーションができるよう店員からアドバイスをもらいながら選んだのだ。
かなりの量の買い物になった。
20万円ももらったから余裕だと思っていたが、実際ほとんどお金は残らなかった。
来週からいよいよ女性として働くのだ。
もしかするとかなり大変な選択をしたのかもしれない。
早くも少し後悔し始めていた。
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