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フェチ(12)

瑞希のマンションは女性限定のマンションだった。
男の姿では入ることすらできなかったのかもしれない。
だから女装させたのか。
そんなことを考えながら、瑞希の部屋番号を押した。
「入ってきて」
すぐに瑞希の声が聞こえてきた。
そして鍵が開く音がした。
僕は扉を開け、瑞希の部屋に向かった。
幸いにも途中マンションの住人に会うことはなかった。
仮に誰に会ったとしても、男だと見抜かれるとは思ってなかったが、このタイミングで余計な神経は使いたくなかった。
瑞希の部屋までやってきた僕はインターホンを鳴らした。
「鍵はかけてないから、入ってきて」
部屋の中から瑞希の声がした。
僕はゆっくりドアを開けて、部屋に入った。
そこには瑞希らしき女性が立っていた。
「らしき」というのは、最初瑞希だと認識できなかったからだ。
瑞希の部屋だから瑞希だと思っただけだ。
さらに言うなら、瑞希という人間ではなく人形のようにすら思えたくらいだった。
まるで等身大のフランス人形のようだった。

「何だよ、その恰好…」
僕はその瑞希らしき女性に声をかけた。
「私ってコスプレが趣味なの」
瑞希の声だった。
やはりその女性は瑞希ということだ。
他人には分からない趣味趣向があるもんだ。
「コスプレ?」
「うん、そうよ。今までは一人で行ってたんだけど、おかげで仲間ができたわ」
「僕にはそんな趣味は…」
「塚本くんが断れると思ってんの?」
瑞希が頼みたいというのは、このことだったのか。
「…脅すのかよ?」
「そんな人聞きの悪いこと言わないでよ。ちょっとつき合ってくれればいいだけだから」
瑞希は僕をゴスロリのコスプレ仲間に引き入れようとしているのだ。
「だったら、どうして女装なんかさせたんだよ」
「だって女の子になったほうがコスプレしやすいでしょ?」
理解できない理屈だ。
僕が言える立場でないことは百も承知している。
「僕は普通の女の子の恰好がしたいだけで、そんなのはちょっと…」
申し訳程度の拒絶をした。
「とにかくまずは一回つき合ってよ。意外と楽しいと思うよ」
瑞希には僕の声は届かないみたいだ。
「分かったよ」
結局は瑞希が用意した衣装を着ることになった。
無理やり着せられたように装ったが、実は少しばかり興味があった。
こんな恰好をしたらどんな感じになるのだろう。
そんな興味に勝てなかった。

出来上がりは想像以上だった。
黙っていると人形のようだと思った。
しかし瑞希とは少し違う可愛さがある。
言葉にはできないが、瑞希には勝ったと感じていた。
この訳の分からないコスプレというものには底知れない魅力がある。
女装とは別次元の快感があるようだ。
僕は性的にも興奮していた。



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