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フェチ(9)

沙亜矢です。
一ヶ月ぶりの更新です。
本当に更新が遅くてごめんなさい。
懲りずにお読みくださいネ。


---
ふと気がつくと、前の方から知り合いの女性が近づいてきていた。
棚瀬瑞希だ。
瑞希は雅臣と同じ高校らしく、大学で雅臣と会えば二人で話をする仲だった。
そうして僕も時々話すようになったのだ。
時には雅臣抜きでも話したりしていたので、僕とは充分よく知った仲だったのだ。
そんな瑞希の目から見れば僕の女装なんて簡単にバレてしまうのでは…。
こんな街中で、大声でばらされたら、恥ずかしさで死んでしまうかもしれない。
「棚瀬だ。逃げようぜ」
「おかしいだろ、急に逃げたりしたら」
そんなことを言って、そのまま歩いていった。
瑞希との距離は確実に短くなっていく。
この距離になると、もう逃げるに逃げられない。
「あら、西野くん」
ついに瑞希に声をかけられた。
瑞希の言葉は雅臣に向かっているが、視線は完全に僕を捉えていた。
「もしかしてデート中なの?」
「あ、ああ」
雅臣が返事にもならない返事をした。
「西野くんにそんな彼女がいたなんて知らなかったわ。隅に置けないわね。紹介してよ」
雅臣が僕の顔をジッと見ている。
何と言おうかと考えているようだ。
「あ、彼女は塚本…、あ、えっと、直美さん。で、こっちは大学の友達の棚瀬瑞希さんだ」
「えっ、塚本ってもしかして塚本くんのお姉さんか妹さんなの?」
バカな奴。
もう少しバレない名前を言えばいいのに…。
しかし、時すでに遅し、だ。

「あ、まあ、そういうとこだ」
「そっか。友達の姉妹を彼女にしたのね」
「まあな」
瑞希が僕の顔を見ている。
僕は視線を外した。
「よろしくね」
瑞希が僕に言ってきたので、僕はピョコンと頭を下げた。
声を出せばばれてしまうから仕方がない。
「彼女、シャイなんだ」
慌てて雅臣がフォローした。
いくら何でも明らかに不自然な行動だ。
「ふーん…」
瑞希は怪しんでいるように感じた。
「デートの邪魔してゴメンね。それじゃまた大学でね」
そう言って瑞希が去って行った。

「ふー、どうやらばれなかったみたいだな」
「そんなことないって。絶対に怪しんでるって」
「大丈夫だって。俺の返事は完璧だったし」
こいつは自分の不自然さに気がついてないようだ。
能天気な奴だ。

「これ以上、知り合いに会うのはこりごりだ。帰るぞ」
僕が小声でそう言った。
「えぇ!もうちょっとどこかに行こうぜ」
「無理言うな。帰る」
僕は雅臣を置いて家に向かった。
「ちょっと待てよ。待てったら」
雅臣が後から追いかけて来た。
後ろから雅臣が抗議していたが、無視して家に向かった。

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