再会(12)

雅和(恭子)は大学生になった。
雅和(恭子)はすっかり男性として成長していた。
自分が女性だったというのは嘘だったような気さえしていたくらいだった。
高校では硬式テニス部に入った。
1年の夏ごろに身長がぐっと伸び180センチ近くになった。
入れ替わる前から運動は得意だったこともあり、県大会でもある程度上位に顔を出していた。
女の子にもそれなりに人気があった。
その中のひとりの女の子と付き合って、ファーストキスも初体験も済ませていた。

続きを読む
00:07 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(11)

3月16日は卒業式だった。
多くの女子生徒が泣いていた。
恭子(雅和)も例外ではなかった。
雅和(恭子)はその姿を見て、心の中まで女の子になっちゃったんだと思っていた。

学校が終わりいつものように二人は一緒に帰っていた。
卒業式の後ということで感傷的な雰囲気もあるのか、お互い無口だった。
雅和(恭子)には、恭子(雅和)は無口というより沈んでいるように映った。
続きを読む
00:05 | 再会 | comments (1) | trackbacks (0) | page top↑

再会(10)

入れ替わりという異常状態にも何とか順応し、二人は無事同じ高校に合格した。
当初それぞれ男子高、女子高を受験することになっていたが、二人で共謀して同じ学校を受験できるように周りを説得したのだ。受験の申し込みの段階で急に志望校を変更すると言い出したのだから親も学校も大反対だった。しかし、二人とも強行に自分の意見を主張した。二人が離ればなれになることで、一生元に戻れなくことへの恐怖が、これまでにない必死さを生み出していた。二人の熱意はついに報われ、同じ共学校を受験することになったのだ。
無事進学先も決まったことだし、二人は学校以外のところでも会おうということになった。言い方を変えるとデートしようということになったのだ。

続きを読む
00:04 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(9)

雅和(恭子)はこれまでの雅和と違い、やけに明るかった。
「山元、なんか今日のお前、いつもと違うぞ」
「そうか、いつもと一緒よ...だよ」
「お前がそんなに笑っている顔って見たことがないぞ」
「俺は能面か」
「ある意味、その表現は当たってる」
「それじゃ今日から人間になったってか?ははは...」
雅和(恭子)はすっかり男子の輪の中に溶け込んでいた。

続きを読む
00:02 | 再会 | comments (1) | trackbacks (0) | page top↑

再会(8)

次の日、憂鬱な気持ちのまま、セーラー服を着てマンションを出た。
そこにはすでに雅和(恭子)がいた。
「おはよう」
「あっ、おはよう」
「どう?よく眠れた?」
「まぁ一応は?」
「とにかく一緒に学校に行こ」
「噂になるよ」
「いいわよ、そんなこと」
恭子(雅和)は両手でスカートの前で鞄を持って歩いた。
そんな恭子(雅和)の姿を見て雅和(恭子)が言った。
「山元くんってあたしより女らしいかも」
続きを読む
00:09 | 再会 | comments (1) | trackbacks (0) | page top↑

再会(7)

夕方になった。
「母さん、あんまり遅くなるといけないから川嶋さんを送ってくるよ」
「ああ、その方がいいわね。服がまだ生乾きだから、その服を着て行ってくださる?川嶋さんの服は乾かしてから雅和に届けさせましょうか?」
「いえ、今持って帰ります。ありがとうございました」
恭子(雅和)は自分の着ていたトレーニングウエアと下着を紙袋に入れてもらった。
「どうもありがとうございました」
恭子(雅和)は表に出ると、元の母親に一礼してお礼を言った。
続きを読む
00:07 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(6)

一瞬の後、女の子がジュースとコップ2つをお盆に乗せて入ってきた。
「妹さん?」
雅和(恭子)が呆然としているのに気づき恭子(雅和)が言った。
「はい、妹の和葉です。いつも兄がお世話になってます」
「こちらこそ」
「兄貴」
「うん、何だ?」
「彼女、なの?」
和葉は右手の小指を立て、雅和(恭子)に笑いかけた。
「何、馬鹿なこと言ってんだよ。さっさと出て行け」
続きを読む
00:04 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(5)

「ふぅ〜、自分の家なのに妙に緊張するな」
恭子(雅和)は部屋に入るなりベッドに股を広げて腰掛けた。
雅和(恭子)は机の前の椅子に座っていた。
「もう、山元くんは今はあたしなんだから、そんなに脚を広げないでよ」
「別にいいじゃん、誰が見てるってわけじゃないんだし」
「あたしが見てるじゃない」
「お前は俺の正体を知ってるから別に問題ないじゃん」
「女の子なんだからそんな喋り方しないで」
続きを読む
00:04 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(4)

「あのぅ〜、すみません」
恭子(雅和)は元の母親に声を掛けた。
「わたしの服は...」
「川嶋さん、川嶋さんの服は洗っているから、雅和の妹の服で悪いんだけど、それを着ておいてね。下着は新しいものだから」
恭子(雅和)の目の前に置いてあるのは白地にピンクの水玉のショーツとブラジャー、ピンク地にアルファベットのラメの入ったTシャツと膝上20センチはあろうかというミニスカート、白い手編みっぽいセーターだった。
続きを読む
00:11 | 再会 | comments (1) | trackbacks (0) | page top↑

再会(3)

雅和の家には当然だが恭子(雅和)が案内した。10分ほど歩き、雅和の家に着いた。
恭子(雅和)はポケットをまさぐった。
「あっ、鍵はお前が持っているんだっけ?」
そう言われた雅和(恭子)はジャケットのポケットを探った。ポケットにあった鍵を取り出し、家の扉を開けた。
「ただいま」
恭子(雅和)は思わず言った。
続きを読む
00:07 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(2)

先に気がついたのは恭子だった。
「...う...う〜ん...........」
恭子はゆっくりと起き上がった。特に怪我はしていないようだった。
「山元くんは?」
恭子はそう言いながら周りを見渡した。近くでトレーニングウエアを着た女性がうつぶせに倒れていた。恭子はその女性を助けるべく、近くに歩み寄った。そして、背中を何度か叩きながら大丈夫ですかと声をかけた。しばらくすると、その女性が気がついたらしく、ゆっくりと立ち上がった。その女性の顔を見て、恭子は声を出せないほど驚いた。
続きを読む
00:37 | 再会 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

再会(1)

山元雅和は中学3年生。身長163センチ、やや痩せ気味の男性だ。あまり口数が多い方ではなく、どちらかと言うと寡黙な部類に入るだろう。勉強は上の下か中の上くらいか。明らかに文系の傾向があり、英語や国語は軽く平均を超える点数を取るが、数学は良くて平均、普通は平均を下回ってしまう始末だった。趣味は読書で、クラブ活動には属していなかった。
ルックスはそれほど悪くはなく、これまでバレンタインデーで年2〜3個のチョコレートは必ずゲットしていた。ラブレターも一度だけだがもらったことがある。残念ながら自分が好きな女性には無縁だったため、異性との交際の経験はなかった。

続きを読む
00:11 | 再会 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑