水晶玉の予言(5)

その経験が完全に僕をおかしくした。
香澄が服を選んでいるときにその服を着ている自分を想像してしまうのだ。
部屋にいると手の届くところに自分が着てみたい服が置いてある。
着たいけど香澄の目があるから着られない。
香澄がいなくてもいつ戻ってくるか分からないから着られない。
自分がこんなことを考えていることすら香澄には知られたくなかった。
僕は自分の欲求を抑えることに必死だった。

「ねえ、明日どうしても外せない用事ができちゃったの。明日は朝早く出ていくけどごめんね」
「ああ別にいいよ」
僕はそう言いながらも訪れたチャンスに気持ちが高ぶるのを抑えきれなかった。
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水晶玉の予言(4)

僕はひとりであの占い師のところへ行った。
「あの日から何となく自分の感覚が変なっちゃったんだけど」
「変ってどういうこと?」
「何て言うか少しずつ感覚が女になってるみたいな感じがするんだけど」
「じゃ、いっそのこと女の感覚を経験してみない?」
「えっ?どういうこと?」
「女の感覚を経験して違和感を感じれば女の感覚になることにブレーキがかけられるんじゃなくて?」
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水晶玉の予言(3)

僕は香澄に命ぜられるまま香澄のスリップを身につけた。
ちょっと小さめで締め付けるような感じがしたが、男の下着にはない肌触りでとても気持ち良かった。
「剛志、いつもより興奮してるんだ」
僕はスリップを着ている自分に興奮して股間がいつもより雄々しくなっているのだ。
ついさっき一度セックスしたにもかかわらず。
「たまにはこういうプレイもいいでしょ?」
香澄がスリップの上から僕の乳首を触った。
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水晶玉の予言(2)

「ねっ、女性が二人映っているだけでしょ?」
「本当だぁ。...あれっ、こっちはあたしだけど、こっちは剛志じゃない?」
「馬鹿なこと言うなよ」
僕はそう言ったが香澄に言われる前に気がついていた。
香澄のそばに映っている女が僕そっくりなことを。
どことなく僕のお袋に似てるような気もする。
お袋の若いころはきっとこんな感じだったのだろう。

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水晶玉の予言(1)

「ねえ、占いしようよ」
香澄が急に立ち止まって僕の袖を引っ張った。
「やだよ、占いなんて。金の無駄じゃん」
僕は何となく占いっていうのは好きでなかった。
基本的には占いなんて信じない。
でも、僕の性格からして嫌なことを言われると絶対に気にしてしまう。
それが分かっているからだ。
雑誌なんかに書かれている申し訳程度の占いコーナーでも嫌なことが書かれていたりすると、その日一日中気にするような性格なのだ。
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